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梅園をぐるりしている、低い瓦塀。 その上に、風情あり気にしな垂れる、一本の紅梅の枝。 まさに、その場所。 写生をしていると思われる、ひとりの初老の男性が、 私に見えている景色を背にするようにして、簡易チェアに腰掛けていた。 どうしてか、それ以後、他の梅の木が、まるで目に入らなくなって、 その男性の頭上を飾っている、その枝の梅を撮りたくて、撮りたくて、たまらなくなる。 その梅が、男性のテリトリーにあって(そのように見えて)、 手に入らないものだから、欲しい(撮りたい)と思ったのか、 それとも、 男性が、そこに居たからこそ、 その場の光景が、なお一層、魅力的に写ったのか。 ぐるぐる、ジリジリ。 ああ、いやね。いやな、自分。 見事な梅に、あっけらかんと背を向けたままのその人のことを、 ほんの少し悩ましく、また、羨ましいと思った。
by hatsukoizitensha
| 2014-03-01 15:37
| 意味不明だけど、大切
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