泣きそう
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二十四節気 大雪
七十二候 鮭魚群(さけのうお むらがる)


今夜は、東京でも積雪があるみたい。
明日の朝、どうなってるんだろう?
ドキドキドキ・・・



電車を乗り換えようと、扉の前に立って降車を待っていると、
ちょうど母と同じくらいの年齢と思しき、背の低い女性が、
「あの・・・、靴紐が解けてますよ」と、
不意に話しかけてきた。
見ると、左足のブーツの靴紐が、くったりと床を腹這うようにして弛んでいる。
確か、出かける直前、注意して、きつく結んだはずだったのに。

-ありがとうございました。

教えてくれた彼女に、頭を下げると、
「転んで怪我でもしたら、大変だから・・・ね?」と、
まるで本当の娘を見るような眼差しで、私ににっこりと微笑んでいる。

-本当に、ありがとうございます。

再び、彼女にそう告げたときだった。
理由は分からないけれど、
胸の奥から、何か熱いものがこみ上げて来て、
私は、思わず、泣きそうになっていた。

私のような、見ず知らずの人間のことを、
心から心配してくれる人が、この世にはいるのだ、と言うことに感動したのかな?
そう、最初は思った。

もちろん、それも理由の1つではあったように思うのだけど・・・

でも、なんか・・・少し、違うんだよね。

-ありがとうございます。

その言葉を口にした、
自分の胸の内側から迸った何かに・・泣きそうになったのだ。

”外から与えられた刺激による何か”、じゃなく、
もっと、普遍的で、当たり前な、いつも、すぐそこにあったような・・何かに。
あー、上手く言えないけれど。

電車の扉が開き、どっとホームに掃きだされる瞬間、
軽く会釈をし、彼女と、別れた。

電車を乗り換えた後も、この”泣きそう”な気持ちはしばらく続き、
それはさらに、ずっと、ずっと、今日一日を優しく包み込んで、
これを書いている今も、思い出しては、
やっぱり、”泣きそう”になっている私が、いる。
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by hatsukoizitensha | 2013-12-18 19:31 | Ricoh35
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